FIELD OF VIEW 『Memorial BEST ~Gift of Melodies~』 (2002)

収録曲
(Disc 1)
01. gift
02. 君がいたから
03. 突然
04. Last Good-bye
05. DAN DAN 心魅かれてく
06. ドキッ
07. Dreams
08. この街で君と暮らしたい
09. 渇いた叫び
10. めぐる季節を越えて
11. 君を照らす太陽に
(Disc 2)
01. CRASH
02. 青い傘で
03. Still
04. 冬のバラード
05. Beautiful day
06. 秋風のモノクローム
07. Truth of Love
08. 夏の記憶
09. 蜃気楼
10. Melody
11. gift ~my dearest

※サブスク配信はなし。ダウンロード購入は可。

 

7年以上にわたる活動を終了し、解散することを発表したFIELD OF VIEWがリリースしたベストアルバム。

今作は、前身であるview時代のものを除く、すべてのシングルを網羅した上で新曲(ファンへの深い感謝をシリアスなメロディーに乗せた楽曲です)を加えて時系列順に収録しているというシンプルな内容が非常にありがたいです。

2枚組ということで概ね活動のちょうど半分くらいでディスクが区切られているのですが、活動前期にあたるディスク1において皆がイメージするFOVがしっかり鳴っている(文句なしで良いです)反面で、興味深い内容になっているのがディスク2。ハードロックへの挑戦やオーケストラとのコラボレーション、はたまたアコースティックサウンドなど様々な角度のアプローチから楽曲制作が行われた末、ついにはバンドサウンドですらなくなり、解散決定後にリリースされたラストシングル『Melody』でようやく皆がイメージするFOVらしい爽やかさを伴ったムードへと回帰......という、まさに一筋縄ではいかなすぎる道のりが生々しく収められています。それはもはや、単にバンドの音楽的好奇心を超越した見えざるパワーを伺ってしまうほどの混沌ぶり...。

ただ、そういった試行錯誤の過程でも、リリースされたシングルがどれも浅岡さんの唯一無二の歌声を以てしてしっかりと一貫性を持たせられているというのがFOVというバンドの非凡なところ。ある意味で「らしい」とは思いつつも期待を大きく裏切ってはこない初期の楽曲よりも、後期の楽曲のほうが面白いと感じられるのは浅岡さんの歌声とチャレンジングな楽曲が常に化学反応を起こし続けていたからというのもあるのかもしれません。

ちょっと偏った視線から色々と書いてきましたが、なんにせよ、今作はFOV史上においてシングルを完全に網羅している唯一のベストアルバムであるというシンプルな点からして、決定盤というような内容になっていると思います。ビーイングの企画ベストを除けば、『突然』、『DAN DAN 心魅かれてく』、『渇いた叫び』あたりの有名曲が、すべて原曲バージョンで収録されているのも地味に今作だけということで、最初に手に取る1枚にも。

 

favorite→『突然』 / 『DAN DAN 心魅かれてく』 / 『青い傘で』 / 『Beautiful day』